データ統合/管理ソフトウェアを手がける米インフォマティカ(Informatica)は2025年5月14日、データ管理用AIエージェント群「CLAIRE Agents」を発表した。データ品質の継続的な監視・改善や、ELTジョブ自動化など、複数のエージェントを用意した。2025年秋にプレビュー版を提供開始する。また、複数のAIエージェントを連携させた処理を構築・運用・管理する機能「AI Agent Engineering」も2025年秋に提供する。
米インフォマティカ(Informatica)の「Intelligent Data Management Cloud」(IDMC)は、データ統合/管理ソフトウェアである。社内に散在する各種形式のデータを収集・抽出・変換・格納してカタログ化する。データのサイロ化を解消し、目的のデータを見つけやすくする(関連記事:インフォマティカ、データ統合ソフト「IDMC」をAzureの分析サービス「Microsoft Fabric」から提供へ)。
2025年秋には、IDMCの新機能として、データ管理用のAIエージェント群「CLAIRE Agents」をプレビュー提供する。データ品質の継続的な監視・改善や、ELTジョブ自動化など、複数のエージェントを用意した。これにより、データの取り込み、リネージ情報(データの発生元、加工内容、保管先)の追跡、データ品質保証まで、各種のデータ操作を自動化する。AIエージェントからデータへのアクセス手続きとしてMCP(Model Context Protocol)をサポートする。
CLAIRE Agentsに含まれる主なデータ管理エージェントの例は、以下の通りである。
- Data Quality Agent:データウェアハウスやマスターデータ管理(MDM)などにおけるデータの品質を継続的に監視・改善する
- Data Discovery Agent:信頼性が高いデータ資産を迅速に特定する
- Data Lineage Agent:データのリネージ情報を自動的に生成・追跡する
- Data Ingestion Agent:データの取り込みと複製のパイプラインを構築する
- ELT Agent:DWH向けのETLジョブを自動で実行する。Snowflake、Databricks、Google BigQuery、Amazon Redshift、Microsoft Fabricなどに接続する
- Data Exploration Agent:DWHやデータレイクで管理しているデータセットの探索を自動化する
2025年秋にはさらに、複数のAIエージェントを連携させたマルチエージェントAIシステムをノーコードで構築・運用・管理する機能「AI Agent Engineering」もIDMCに追加する。AWS、Azure、Databricks、Google Cloud、Microsoft、Salesforce、Snowflakeなどを含めたITリソース全体でAIエージェントをオーケストレーションするための環境を提供する。