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「Red Hat Enterprise Linux 10」リリース、ブート可能コンテナ、CLIで使える生成AIアシスタントなどの新機能
2025年5月21日(水)IT Leaders編集部、日川 佳三
米レッドハットは2025年5月20日(米国現地時間)、Linux OS新版「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)10.0)」をリリースした。新版では、コンテナ技術を用いたOSブートイメージ配布、コマンドラインで使える生成AIアシスタント、耐量子暗号を用いた鍵交換/署名などの仕組み・機能を追加している。
米IBMの子会社である米レッドハット(Red Hat)の「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)10.0」は、同社が開発・提供する企業向けLinuxディストリビューションの新版である。2024年12月提供のベータ版を経て正式版をリリースした(画面1)。
同社は新版について次のように説明している。「RHEL 10は、AI時代への準備、管理者のLinuxスキル不足への対処、セキュリティ体制の強化、特に耐量子暗号による将来の脅威への備え、およびシステムの安定性と一貫性の確保を主要な目的として設計されている」。
主な新機能として、(1)コンテナ技術を用いたOSブートイメージ配布、(2)コマンドラインインタフェース(CLI)で使える生成AIアシスタント、(3)耐量子暗号を用いた鍵交換や署名などを追加している。
(1)コンテナ技術を用いたOSブートイメージ配布
「イメージモード」からコンテナ技術を使ったOSブートイメージ配布が行える。同一のサーバー構成を展開することで問題発生時のロールバックを容易にし、動作不安定/セキュリティリスクを生む可能性のあるシステム変更を防ぐ。
イメージ作成ツール「bootc-image-builder」において、パーティション設定のカスタマイズオプションを拡充し、目的のパーティションレイアウトを持つディスクイメージを作成できるようになった。設定ファイルへの記述で、ルートパーティションなどのサイズを指定・変更できる。
「イメージモードを活用することで、DevOpsチームは容易ににRHELをCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリ)およびGitOpsワークフローに組み込むことが可能になる。また、セキュリティチームは、コンテナセキュリティツールをOSレベルの仕組みを用いながら適用することができる」(同社)
(2)CLIで使える生成AIアシスタント
CLIから自然言語で質問することで生成AIから回答を得られる“コマンドラインアシスタント”「Red Hat Enterprise Linux Lightspeed」を追加した。トラブルシューティングや運用管理のベストプラクティスの提示など、システム管理者の知識・ノウハウを補いながら運用管理業務を支援する。
●Next:耐量子暗号を用いた鍵交換/署名をサポート
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